2022.04.28| 登山情報
今年もいよいよGW! 温かい日が続き緑がとても美しく、登山にはぴったりの季節です。一方で、GWの筑波山は毎年交通&登山道渋滞とのたたかいでもあります。せっかくのGWに快適に登山を楽しめるよう、混雑回避の参考情報をご紹介いたします。
GWの筑波山では、例年、筑波山に向かうメジャールートである「県道笠間つくば線」の筑波山道入口交差点付近から筑波山神社あたりで、大幅な交通渋滞が発生しています。それに伴い、筑波山神社周辺から第三駐車場までの駐車場も、ほぼ満車状態に。
そこで、茨城県やつくば市では「つつじヶ丘方面」(ロープウェイ乗り場や人気のおたつ石コースの登山口があります)に出かける際には、パープルライン(県道236号線)からの迂回を推奨しています。県道笠間つくば線で渋滞に巻き込まれるよりは時間短縮になるので、GWにつつじヶ丘方面を目指す場合はパープルラインを利用するのがおすすめです。
また、道路混雑緩和の取り組みとしてGW中の3日間限定で「パーク&バスライド」が実施されます。
風返し峠第3駐車場(風返し峠臨時駐車場)からつつじヶ丘駐車場まで、シャトルバスの無料運行(9:00~17:00まで/20分間隔)を行うというもの。バスだけでなく、風返し峠第3駐車場(風返し峠臨時駐車場)の利用料も無料となりますので、ぜひ積極的に利用し混雑緩和にご協力ください。
「パーク&バスライド」実施概要
実施日:2022年4月30日(日)・5月3日(火)・5月4日(水)の3日間
※雨天中止
場所:風返し峠第3駐車場(風返し峠臨時駐車場)
運行期間:風返し峠臨時駐車場からつつじヶ丘駐車場の区間(約2.4㎞)
時間:シャトルバス運行9:00~17:00まで(駐車状況により、最大18:00まで)
※駐車場への案内誘導9:00~15:00
とはいえ、パープルラインで迂回してつつじヶ丘までたどり着き、おたつ石コース(つつじヶ丘〜弁慶茶屋跡間)から登り始めると、女体山の山頂付近で激しい登山道渋滞に巻き込まれる可能性が大です。
おたつ石コースは「弁慶茶屋跡」から白雲橋コースにつながり、女体山頂まで行ける人気のコースですが、この白雲橋コースの弁慶茶屋跡〜女体山頂までは、毎年GWに登山道渋滞が発生しているルートとなっています。
その混雑度合いは、平常時なら1時間弱で登れるところ、すごい時では3時間以上もかかってしまうほどです。一本道なので引き返すのも難しく、途中にはトイレもありません…。この渋滞に巻き込まれてしまうと、かなり過酷です。正直、GWに白雲橋のこのルートに入るのはものすごくおすすめできません。
ちなみに、つくば市では女体山山頂付近の混雑回避の取り組みとして、下記の日程で誘導員を配置しての混雑緩和対策を行う予定とのことです。
日時:2022年4月30日(土)・5月4日(木) 9:00~15:00
※雨天中止
GWは登山道も大渋滞の筑波山ですが、大混雑が予想されるのは上記で紹介した一部コースのみです。GWでも快適に登山を楽しめるおすすめコースがあります。
御幸ヶ原コースは、筑波山神社からケーブルカー宮脇駅までの道程に登山口のある人気コース(筑波山神社~御幸ヶ原)。比較的アップダウンが激しく険し気味のコースであることから、登山デビューの場合は厳しい…と感じるかもしれませんが、コースタイムも平均で2時間弱とそこまで大変なものではありません。
また、ケーブルカーの線路沿いに登って行くコースであり、途中でケーブルカーのすれ違いポイントや、筑波山を流れる川「男女川(みなのがわ)」の最上流地点など、見どころもいろいろ。
神社付近が登山口なので、山に行くまでの交通渋滞や駐車場待ちなどは多少覚悟しなければなりませんが、GWに筑波山に行くなら、大混雑してしまう女体山頂へとつながる「白雲橋コース」や「おたつ石コース」よりは、男体山頂側の御幸ヶ原へつながる「御幸ヶ原コース」がおすすめです。
ちなみに御幸ヶ原コースは帰路にケーブルカーを使うのもおすすめですが、GW中はケーブルカーも大混雑するのでご注意を。そして、夕暮れ前に下山できるように、事前にシミュレーションを行って計画的に登ってください。
こちらから登山マップのダウンロードや、コース一覧をご覧いただけます。
筑波山の北西側にある「つくし湖」という人造湖(ダム)付近の登山口から、自然研究路を経て男体山頂を目指すコースです。GWもほぼ混まないと思われますが、登山口の駐車場の台数が限られているので注意。
薬王院コースは筑波山の10コースの中では最も距離が長く、コースタイムは130分程度が目安です。前半は緩やかで気持ちのいいコースですが、後半は傾斜がきつくなり、階段道が700段以上も延々と続きます。実際、エクササイズやトレーニングには最適です。
初心者にはきついコースではありますが、「絶対に山頂を目指す!」と思うのではなく、ハイキングを楽しむ感覚で、余裕を持ってスタートしてゆっくりと休みながら登ったり、不安になれば階段道の前で引き返したり、自分の状態と向き合って無理をしなければ楽しい登山ができると思います。
登山に行くとどうしても「絶対登頂したい」という気持ちになってきますが、最初から「自然を楽しむのが目的」「体力持てば登頂」ぐらいのおおらかな気持ちで行けば、無理をしてしまうこともありません。自分が楽しい!と思える登山を、ぜひ筑波山で楽しんでいただけたら嬉しいです。
こちらから登山マップのダウンロードや、コース一覧をご覧いただけます。
筑波山の北側に登山口のあるキャンプ場コース(筑波高原キャンプ場~女体山頂)。こちらは、筑波山の定番コース「白雲橋コース」とは逆サイドから女体山頂を目指す穴場のコースです。比較的距離が短く、所要時間の目安は60分ほど。アップダウンも割合と緩やかなので、初心者にもおすすめできます。そして、このコースであればGWに混雑することはまずないでしょう。
南側にあたる白雲橋コースなどとは異なる風景も魅力的で、苔やきのこ、幻想的な広葉樹林などちょっとミステリアスな雰囲気が味わえます。
また、登山口の筑波高原キャンプ場は、毎年5〜9月に完全予約制で営業中。ただ、仮予約後に施設使用許可申請書の提出を桜川市に行うプロセスがあるなど、予約に少し時間がかかるため、今からGW中の予約を取るのは難しいかもしれませんが。
このコースの注意点としては、公共交通機関でのアクセスがなく、自家用車でのアクセスが必要なことです。駐車場はキャンプ場内のものを利用できますが、キャンプ場に行くまでに砂利道があり、車高の低い車だと通行自体が難しいのでご注意ください。恐らく泣くことになりますので、無理せず引き返しましょう。
こちらから登山マップのダウンロードや、コース一覧をご覧いただけます。
日本百名山の中では最も低く、はじめての登山にもおすすめな筑波山! GWは暑すぎず寒すぎず、気候的にも登山デビューにぴったりの季節で、首都圏からもアクセスしやすいことから、家族や友達グループ、カップルなどいつもたくさんの登山客で賑わいます。
その結果! 賑わいすぎて混雑や渋滞が発生してしまっているのも筑波山の現実です。引き続きコロナ禍である今年のGWですが、都内からのアクセスが良い筑波山は、例年に漏れずGWの大混雑が予想されます。ただ、ご紹介した通り、混雑するのは一部のコースです。
迂回ルートや、混まないコースを活用すること。そして登頂に固執しすぎず、状況に応じて臨機応変に登山を楽しむこと。そのために、事前にコースについて下調べしておくことはおすすめです。これらを意識しつつ、コロナ対策をしっかりして、GWの筑波山をぜひ快適にお楽しみください。
つつじも綺麗な季節です。
文/根本美保子(TURBAN)