2019.07.26| キャンプ場コース
筑波山北側(桜川市側)にある、自然豊かな穴場コース「キャンプ場コース」。桜川市の筑波高原キャンプ場から女体山頂を目指すコースは、原生林や沢など素敵な自然の宝庫です。比較的ゆるやかなので、初心者にもおすすめ!
Trail7 キャンプ場コース Campsite Trail
区間:筑波高原キャンプ場~女体山頂
距離:1.6km
所要時間:Up 60min / Down 45min
難易度:★★
筑波高原キャンプ場からほぼ尾根伝いに女体山頂を目指すコース。筑波山の北側にあり、登山客も多くありません。公共交通機関でのアクセスはなく、自力でのアクセスが求められます。桜川市と石岡市の両方からアクセスできますが、どちらも途中、砂利道を通ることになります。
春にはカタクリやニリンソウが咲き、原生林には140種の野鳥が見られます。近くを流れる沢ではサンショウウオやサワガニが生息しているなど、まさに自然の宝庫。
比較的ゆるやかなコースなので、ハイキングがてら出かけるには最適なコースです。
筑波高原キャンプ場(5~9月営業)が出発地点になります。キャンプ場内にある駐車場は登山者も利用可能です(キャンプ場利用者のご迷惑にならない範囲にてお願いいたします)。また、冬場は路面凍結もあるので道中ご注意ください。
駐車場の近くにお手洗いがあります。こちらは桜川市役所の商工観光課が管理されていて、中はいつも綺麗で気持ちが良い。(冬季閉鎖)
すぐにキャンプ場の広場に出るので、施設案内の看板横にある舗装路を登ります。
キャンプ場の広場の先、キャンプ場コース登山口のサインがあります。さあ、登山スタートです!
注意喚起の看板がよく目立ちます。筑波山周辺は貴重な植物が多く自生していますが、登山者に踏み荒らされてしまった過去があります。登山者同士だけでなく、植物たちにも配慮してShare the Trailの精神でいきましょう!
しばらく進むと、女体山頂まで1.5kmのサインがあります。サインに沿って進みましょう。
自然の門構えがありました。お邪魔します。
ちなみに周りにはいくつもの鳥の声が聞こえています。筑波山にあるコースの中でも、ひときわ野鳥観察を楽しめそうですね。
この辺りの熊笹は背が高いです。猪が熊笹の中を通り過ぎて行きました。遭遇が心配な方は、動物よけの鈴を持っていくといいかもしれません。
上を見上げて深呼吸。空気がおいしい。
広葉樹も混在してきました。一つの世界観があって、自然の神秘を感じます。筑波山の南側とは、また違った雰囲気がありますね。
梅雨時期に登りましたが、キノコも多く見かけます。キノコを見るとテンションが上がるのはなぜでしょうか。
木の根を階段のようにして、緩やかに登ります。
いくつか観察して思ったのは、生きた木と死んだ木では、生えるキノコが違うようです。
そうこうするうち、保健保安林の看板が見えてきました。直前にあったサインによると、女体山頂まで残り0.9km。
また違ったキノコがあります。ひょっこり生えている姿がかわいらしい。
全国のキノコマニアの皆さん、筑波山ならキャンプ場コースがお勧めです。
痛々しい姿のカタクリが…足元には注意ですね。
キャンプ場コースの中でも、保健保安林の看板辺りから続く一本道は印象的な美しさがあります。
横を見れば、幻想的な広葉樹林。
また変わったキノコが生えていたり。
恐竜の背のような草を見かけたり。
季節柄、ヤマアジサイも見かけました。
一本道を過ぎると勾配に少し角度が付きます。
2種類のキノコが共存しているようです。Share the Trail ならぬ、Share the Tree!!
少し降ります。写真右側、クヌギの木をクローズアップすると…
くぼみや樹皮の間からしか生えないシャイなキノコたち。
そうこうしていると少し急な登り道。
脇に目をやると、樹木が混在していて、また趣があります。
根の間に避難しているカタクリがいました。生きろ。
少し登ると、女体山頂まで0.5kmのサインがあります。
天候と湿度が相まって、露がおりています。そなたは美しい。
山の傾斜を横切って進みます。
靄が立ちこめ、一層幻想的な雰囲気に。短い時間でカメラのレンズが曇るほどの湿度がありました。雨が降っているわけではないのですが、山の天候は変わりやすい。コースからは出ないよう一層注意しましょう。
辺りはブレアウィッチプロジェクトのような雰囲気になってきました。
視界が悪くなると、心細いもんです。
そういうときは植物を見る。蜘蛛の巣に露がおりて、シャンデリアのよう。
比較的大きな岩があります。トレイル上で腰を下ろせる場所はここくらいでしょうか。
少し進むと、熊笹とシダが二段構えになっています。
この辺りでは、ポチポチと小さなキノコを見かけました。
トレイルをジグザグに進んで行きます。山頂も近そう。
足元にはかわいい植物たち。なるべく踏まないように進みます。
この辺りは木々のトンネルのようです。
女体山頂付近が見えてきました。
キャンプ場コースはここまで。山頂連絡路のコースガイドでも紹介した、ロープウェイの女体山駅へと続く階段のある広場が終着点です。
振り返って撮影。筑波山全体図を記す看板の左側に、キャンプ場コースの出入口があります。
広場東側にある岩階段を登れば、女体山頂です。
せっかくここまで来たので、登山の無事をご報告。
筑波女ノ神様、ありがとうございました。それとおいらをお金持ちにしてください。(迫真)
所用時間1時間のコースの中で、ここまで多様な自然と出会えるとは思いませんでした。
なだらかな尾根コースは老若男女楽しめそうです。
筑波高原キャンプ場では、現在コテージに泊まることはできませんが、テントを張ると1日500円で過ごせるとのこと。
夏、まだ暑くない早朝に登山。降りて来て沢遊び。お腹が減ったらバーベキュー。夜はみんなで火をかこむ。そんな自然たっぷりの時間も、ここなら無理なく過ごせそう。
人にすすめてあげたくなるコース、穴場の遊び場です。カタクリやニリンソウが咲き誇る姿を見に、春にまた来よう。
写真・文/合田裕基(TURBAN)