標高:女体山877m・男体山871m
百名山でもっとも低い山。
しかし、日本最大の平野である関東平野の真ん中に突然立ち上がる双峰は、
本来の標高以上に高く感じられます。古くから「西の富士・東の筑波」と呼ばれ、
その山肌が夕日に照らされ紫色に見えることから「紫峰」という愛称でも親しまれる独特の姿。
遊楽の山として愛され万葉集にも多くの歌が残されている一方で、
先史時代から山岳信仰の対象とされ、神の山として保護されてきた歴史も。
また、現在では、ほぼ全域が国定公園の保護区域となっており貴重な自然の宝庫でもあります。
ケーブルカーやロープウェイで気軽に登頂したり、自然散策やトレッキングを楽しんだり。
多彩な楽しみで人々を惹きつけてやまない筑波山。
さて今日は、どんな楽しみが見つかるでしょうか。
日本で2番目に大きい湖・霞ヶ浦をはじめとした「水郷」地域と、筑波山や加波山などの筑波山塊を中心とした「筑波」地域、2つの区域からなる自然公園。筑波山はほぼ全域が国定公園の保護区域です。
筑波山は、遠い昔に地下深くでマグマがゆっくりと冷え固まった深成岩でできています。このうち中腹〜山頂を中心に分布する「斑れい岩」は約7500万年前(白亜紀)、山麓付近に広く分布する「花崗岩」は約6000万年前(白亜紀末〜新生代)にできたもの。それらが隆起して地表が風雨で浸食され取り残された残丘が、筑波山なのです。
筑波山の成り立ちを垣間見られる奇岩や巨石は、登山での楽しい見どころの一つ。特に標高700m以上の場所で多く見られます。
登るたび少しずつ表情を変えていく筑波山の自然。樹木や草花、動物や昆虫。その名を覚えて訪ねてみると、自然に触れる楽しみがもっと広がります。
筑波山の山麓はコナラなど暖温帯の照葉樹林が中心。昔ながらの里山の風景が楽しめます。かつてはスダジイも広く分布していましたが、現在では標高300m付近の神社やお寺の近くにわずかに残るばかり。特に薬王院付近には樹齢300年~500年ともいわれるスダジイが群生し、茨城県の天然記念物に指定されています(椎尾山薬王院の樹叢)。
中腹付近には、日本有数の貴重なアカガシの純林が。真壁側では中腹付近の斜面を利用しミカンの栽培が行われており、アゲハチョウの仲間を多く見ることができます。また、雑木林にはオオムラサキやミヤマクワガタの姿も。中腹から山頂にかけては、初夏にはオオルリやキビタキなどの夏鳥の繁殖、晩秋にはアカハラやルリビタキなどの冬鳥を見つけることができます。
標高700m付近からの上の山頂一帯は、ブナ林が広がっています。3万株ものカタクリの群生地や、筑波山のみに生育する固有種ホシザキユキノシタも山頂付近に群生しています。ハギマシコやカヤクグリなどの野鳥や、アサギマダラなど。
また、筑波山はイノシシやタヌキなどほ乳類のすみかでもあります。ほ乳類は警戒心が強く夜行性のものも多いため出会う機会は稀ですが、ニホンリスやニッコウムササビなど、希少な野生動物も生息しています。
初心者向けの山と言われる筑波山。とはいえ登山道は舗装路というわけではなく、木の根や大小の岩がごろごろしている自然の道です。岩場の続く急登があったり、特に雨上がりには足元がとても滑りやすくなるので、足元はスニーカーではなくトレッキングシューズを用意するのがおすすめ(ハイカットorローカットはお好みで)。インナーやTシャツは化繊のものがおすすめです。
ハイカットorローカットはお好みで。お子さんにも子ども用のトレッキングシューズを用意しましょう。スニーカーやサンダル、ヒールは歩きにくく危険です。
両手が使えて動きやすいザックがおすすめ。登山用のものではなくてもOK。トートやショルダーなど片手がふさがってしまうものは避けましょう。
筑波山神社やケーブルカー、ロープウェイの駅等で配布しています。こちらからダウンロードも可能です。
山は天候が変わりやすいため、晴れていても持っていきましょう。コンビニなどで販売しているビニール製のものでもOK。
最低500mlの水は持参。夏場は1L以上が目安。ペットボトルもOK。自販機はつつじヶ丘、筑波山神社周辺、ロープウェイ・ケーブルカー駅周辺、山頂に設置。
チョコレートやナッツ、ドライフルーツなどのおやつ。休憩時にちょっと食べると、エネルギー補給や気分転換になります。
汗ふきはもちろん、もしもの時の包帯代わりにも使えます。
特に夏場は必須。蚊やアブなどの対策に。
もしもの時のために持っておくと安心です。コピーでOK。
絆創膏、消毒液、下痢止めなど、もしもの時に備えて持っていくと安心です。
ゴミの持ち帰りなどに、3〜4枚持っていると便利です。
冬は防寒用に。筑波山は岩場が多く手を使って登る場面もあるため、夏でも重宝します。特に雨上がりの湿った岩場では手が泥だらけになるのであると嬉しい。
緊急時の連絡用に、お持ちの方は必ず持って行きましょう。
足場の悪いところで支えになります。岩場では逆に邪魔になるので、すぐにしまえるようにしておきましょう。無くても可。