2019.12.06| Cycling,Tour,筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業
秋の筑波山~霞ヶ浦を舞台に開催された、eバイクによるサイクリングツアー「ヒルクライムの聖地で冒険」の模様をお届け<前編>!
茨城県の「筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業」を母体として、国内外でのツアーやアクティビティのプロたちが練り上げてきた、着地型観光ツアープロジェクト「Mount Tsukuba Tours」。2019年11~12月の期間限定で行われましたが、その第一弾として、2019年11月3・4日の2日間に秋の筑波山~霞ヶ浦を舞台に開催されたのが、レンタルeバイクによるサイクリングツアー「ヒルクライムの聖地で冒険」です。
初心者でも安心のeバイクに乗って、サイクリストの聖地ともいわれる不動峠でのヒルクライム体験や、地元のおいしいもの、お祭りなど、地域の魅力をいっぱいに感じた、個性的な体験型ツアー。
2019年11月に、国のナショナルサイクルルートにも選ばれた「つくば霞ヶ浦りんりんロード」を含む、2日間約75kmのロングライド。健脚のサイクリストたちにも人気の道のりを、eバイクでのんびり走る。初心者の方も無理なく走れるのに、車でもバイクでも味わえない景色や体験が、そこにはありました。
今回は、大好評だったツアーの様子を、遅ればせながら写真とともにお届け! 気になってはいたけれど「ロングライドはハードル高い」「予定が合わなかった」…という方もいらっしゃると思います。ぜひ今回の記事をご一読いただき、イメージを膨らませてみてください。(たぶん来年もeバイクツアー、ありそうです!)
それではレポート開始! (気合いが入りすぎて前後編に分けてお届けいたします)
時は11月3日(日)、てるてる坊主量産の成果もあって、好天にめぐまれたツアー1日目! 県内外から8名の方が参加してくださいました。集合場所は、筑波山中腹の大鳥居近くにある「カフェ日升庵」。参加者の方には、2日間の道程や見どころを紹介した「旅のしおり」を進呈。
これからはじまる、長くて短い一日にワクワク、ドキドキ。
旅の出発点は、筑波山登山の拠点としても知られる「筑波山神社」。日升庵から歩いて10分くらい。ここで旅の無事をご祈祷していただきました。
普段は車祓いを行っているスペースで、今回の旅の相棒となるeバイクをお祓いしていただきます。ご祈祷から始まるツアーに、参加者の皆さまも新鮮だった様子。
それぞれのeバイクを手に、今日一日の旅のイメージを膨らませて。
ちなみに「電動アシスト付きのeバイクだったからこそ、このツアーに参加した」という方が多くいらっしゃいました。
参加者の方々を先導するのは、ガイドライダーの高橋利明さん(後ろ姿ですが…)。数々のレースでも活躍している健脚のサイクリストです。
そんな高橋さんから、手信号とサイクリングの注意事項に関するレクチャーを受けて、気持ちをきゅっと引き締まります。
さらに、最後尾には今回のツアーの共同運営者として、霞ヶ浦での自転車ツアーを手がけている「かすみがうら未来づくりカンパニー」のサポートカーが。急なトラブルもに対応できる状況が整っているので、サイクリング初心者の方でも、この旅を楽しむことだけに集中できます。
さあ行くぞ~!!
筑波山の南側、日本の道100選にも選ばれている古道「つくば道」を、ゆっくりと降っていきながら。ちょうど「筑波山麓秋まつり」の会期中ということで、お祭りの賑わいも満喫! 写真はつくば道の少し外れにある、自然食品のお店「つくば味工房」前での一枚。
右手に見えるのは、神郡地区にある「石倉RIZ」。古い石倉を活用したカフェを、秋限定でオープンしています。ここでいったん、自由行動に。思い思いに秋まつりを楽しみます。
こちらは北条地区。有形文化財が建ち並ぶ、古き良き街並みを駆け抜けます。
そろそろお腹も空いてきました。ランチは 奈良・平安時代の遺跡で国の史跡にも指定されている、きれいな芝生の歴史公園「平沢官衙(かんが)遺跡」でいただきます。
背後にはうっすらと筑波山の姿も見えたりして、撮影を楽しむ方も。
青空のもとでのランチは最高に気持ちいい!
一緒にサイクリングを楽しむだけでなく、ともにテーブルを囲むことで、参加者同士の絆も徐々に生まれていきます。束の間のランチタイムは、とても和気藹々とした雰囲気に包まれていました。
大好評だった、北条米の新米おにぎり。筑波山麓のブランド米である北条米の原種といわれる「神郡米」を使用しています。筑波山由来のミネラル豊富な水で育っているので、旨味と甘みが格別。地元野菜たっぷりの特製豚汁との相性が抜群すぎます。
食後は「平沢官衙遺跡」を案内所のガイドさんに案内していただきました。ここは常陸国筑波郡郡の郡役所跡とされており、校倉、土倉、板倉の3棟の高床倉庫が復元されています。広い公園を歩きながら、歴史に触れる興味深いひととき。
ランチのあ・と・は! ついに本日のメインイベントが始まります。「不動峠」のヒルクライムを目前にして、ガイドの高橋さんからのレクチャータイム。
サイクリストの聖地といわれる場所ですが、eバイクの実力を体感している参加者は、気負うことなくリラックスしている様子。まるで羽根が生えたようとおっしゃる方も。
「不動峠」へ続く気持ちの良い森林の中を参加者たちが上がって来ました。
eバイク恐るべし。小学生を含め、参加者全員が余裕の表情です。木々の合間からのぞく関東平野を見渡しながら、のんびりヒルクライムできたようです。
約20分のヒルクライムを終え、記念撮影。いい思い出になりました。
「不動峠」から石岡市方面へダウンヒルを楽しんだあとは、がんばったご褒美代わりに柿狩りへ。
古民家が点在する「にほんの里100」にも選ばれたエリアで、果樹の里としても知られる石岡市八郷地区へ向かいます。柿が食べ頃を迎えていた「内田観光果樹園」にお邪魔しました!
温暖な気候ながら、盆地のため寒暖差が大きい八郷地区。あま~い果物をはじめ、四季折々美味しい農作物が実る場所として有名です。
その中でも柿は、献上柿として毎年皇室に届けられているという、ひと際魅力的な特産品なのだそうです。
そしてそして、待ってましたの柿狩りタイムがスタート! 好みの熟れ具合の柿を選んで収穫していきます。柿の固さは好みが別れるところですよね。
美味しいものを食べると、自然と笑みがこぼれます。それもそのはず、今まで食べた柿の中で一番美味しく感じる柿でした! 旬のものを採れたてで食べられるのは、その土地ならではの楽しみです。
お持ち帰り用の柿も自分の手で収穫して買って行くことができます。ほとんどの参加者が柿をお土産用に買っていました(かく言う私も)。味覚というものは正直ですね。だってほんとに美味しかったですから。
その後は、同じ八郷地域にある「ゲストハウスjicca」へ。店主の比企智浩さんが、まさに自身が生まれ育った実家をリノベーションしてつくりあげた、レトロであたたかみのあるお宿です。
到着してすぐ、日が暮れる前に1日目の旅の無事を記念して1枚。振り返れば、自転車ひとつでずいぶん遠くまできたもんだ。
それでも「まだまだ走れそう」「やっぱり泊まればよかった~」そんな声が聞こえてきます。そして、1日目のみのご参加だった皆さまとは、ここでお別れ。ぜひまた遊びにきてくださいね!
夜ご飯までは、しばしのくつろぎタイム。
畳の部屋で寝転がって一休みです。日本の原風景も今や贅沢なひととき。
ディナーは茨城の美味しいものがたくさん! 楽しい宴が始まります!
常陸牛にローズポーク、ダッチオーブンで炊き上げた北条米、霞ヶ浦特産のレンコンに、かすみがうら未来づくりカンパニー特製のクラフトビールまで! どれもこれもおいしすぎる! お箸が止まる気がしません。
その後は、お酒を楽しむ人、部屋で疲れを癒す人、jiccaのこたつで温まりながら談笑する人。それぞれの夜を過ごしながら、一日目は幕を閉じていきました。
筑波山&八郷地区 25kmを走りきった1日目を振り返って
参加者の方の中には、自分は普段から自転車に乗るけれど、初心者のパートナーと2人で参加という方も。レベル感が違う方同士が走っても、一緒に楽しめるのがeバイクのいいところ。モードで負荷を選べるので、ちょっと手応えが欲しい方もレベルに合わせて楽しむこともできるんです。
それに、一人ではなかなか走れない距離でも、みんなで走ればあっという間。みんながそれぞれに達成感を感じながら走れた一日目。ガイドライダーやサポートカーがいるという安心感も、みんなの心の支えになっていました。
立ち寄る場所ごとに、美味しいものを食べて笑顔に。茨城県内だけでなく、千葉や埼玉など近隣の県からお越しくださった参加者の方も多数。県内から参加された方も、まだ知らない新発見が目白押しだったと満足気でした。
さて、2日目は霞ヶ浦地域へのサイクリング。1日目の山の風景とはまた違った景色が広がっていました。その模様は<後編>で。ぜひお楽しみに!
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写真・文/合田裕基(TURBAN)、Mount Tsukuba編集部