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茨城県 筑波山で登山・ハイキング/コース&観光ガイド

Journal筑波山ジャーナル

2019.12.23| 筑波山神社


年に2回の筑波山神社例大祭「御座替祭」。令和初の大祭で古来の日本人の心を垣間見る。

令和になって初めて行われた筑波山神社の例大祭「御座替祭」の様子を、遅ればせながらレポートいたします! 目玉は「御神橋」です。

毎年4月1日と11月1日の年2回行われる筑波山神社の例大祭「御座替祭(おざがわりさい)」。

「御座替祭」とは「神衣祭(かんみそさい)」「奉幣祭(ほうべいさい)」「神幸祭(じんこうさい)」の3つの祭の総称で、筑波山神社の神事の中でも特に重要なものとされています。

今回は、11月1日(金)に行われた記念すべき令和初の御座替祭をレポート! 長らく改修工事を行っていた「御神橋(ごしんきょう)」が初めてお披露目されるなど、見どころいっぱいのお祭りでした!!


 

御座替祭の一日は、早朝から神輿を担いで山を登り、男体山頂・女体山頂の本殿にある神衣を新しい衣に取り替える「神衣祭」から始まります。同時刻、中腹の拝殿で舞いを捧げる「奉幣祭」が開催。午後2時頃から多くの一般客が観覧に訪れる「神幸祭」が行われます。

今回紹介するのは、一般客が観覧可能な、神衣(かんみそ)が納められた御神輿を担いで中腹の集落を巡って拝殿を目指す「神幸祭」です。

 

PM2:00。つくば道にある「一の鳥居」(六丁目の鳥居)付近は「神幸祭」の参加者で溢れていました。その数およそ200名。装束で身を包んだ地域の方々が一同に会しています。

 

鳥居のすぐ側には、大小の御神輿が並んで鎮座しています。

「神衣祭」で取り替えられた神衣は小さい神輿から大きい神輿に移し変えられ、拝殿へと向かうとのこと。

 

行列の先頭に立つのは、猿田彦(サルタヒコ)大神。神話にある天孫降臨の道案内をした神様です。「御座替祭」では赤い天狗の仮面を被り、祭礼の案内者となります。

 

「神幸祭」の主役ともいえる神輿。移しかえられた神衣は現在こちらの中にあります。山頂に鎮座している神様は「神衣祭」で取り替えられた新しい神衣を着ている状態に。ちなみに神衣は、神様の憑代(よりしろ/神が宿るものとして、神様としてとりあつかう)なのだそうです。

 

茨城県内にある流通経済大学ラグビー部の学生さんも毎年参加されています。早朝から行われる「神衣祭」では、御神輿を拝殿から仮宮に担いでいきます。ラグビーで培った強靭な足腰が発揮されます。

 

神衣祭での登山は、勾配のある登山道を御神輿を担いでいく長い行程なので、休憩を取りながらゆっくり上がるそう。年に2回の恒例行事。地域の方同士が顔を合わせる機会でもあります。どこか誇らし気に楽しそうな表情を浮かべます。

 

関係者が装束を着て行進する姿は大名行列さながら。タイムトリップしたかのような光景は一見の価値あり。

 

11月1日は「筑波山麓秋まつり」の開催期間でもありました。つくば道は開催場所の一つとして賑わっていて、普段は入ることができない風情ある古民家でもいろんな催し物が行われていました。秋の筑波山は楽しいです!また来年だ…。

 

一般道路を経由して、拝殿を目指します。車両通行止めではありませんが「御座替祭」のときは、見物客も多く、車はあまり通行していない様子。

 

大鳥居を通って行きます。心なしか、なんだかいつもの大鳥居と違うよう。その姿は「神幸祭」の見守り役のようです。

 

31年ぶりに改修工事が終わったばかりの御神橋を渡っていきます。普段は歩くことのできない御神橋ですが、「御座替祭」(4月1日・11月1日)の年2回に限って一般客にも開放されます。

 

茨城県最大の神門である、隋神門(ずいしんもん)を通ります。

 

いよいよ「神幸祭」もクライマックスへ。階段を一気に駆け上がります。

 

拝殿へと御神輿を入れて行きます。ついにここまで来た! 黄色い装束の担ぎ手さんに心の中で拍手。

 

通常はここまで立ち入ることができませんが、ご厚意で拝殿に入れていただきました。

筑波山神社の主祭神は、多くの神様を産んだ親神様である伊弉諾尊(イザナギノミコト)と伊弉册尊(イザナミノミコト)という原初の夫婦神様です。
この光景を見ても分かるように、神仏と接する機会はやはり身が引き締まります。私生活の所作まで改まるような貴重な体験となりました。


 

今回の「神幸祭」を通して、まずは筑波山地域の方々に支えられている行事だということを改めて実感しました。
そして神事というのは信仰そのもので、身支度や一つ一つの所作にまで意味が込められているということも知りました。個人的にそれは普段の行いに通ずるもので、物事を見つめ直し、律するきっかけにもなりました。

ただ眺めているだけでも楽しめる行事ですが、その一つ一つを紐解くことで生まれる敬意は、古来から続く日本人の心であるような気がします。
時代を越えて受け継がれていく。筑波山のような山が身近にあることを誇らしく思いました。

次回の御座替祭は、来年令和2年4月1日(水)です。残念ながらウィークデーですが、また来られることを願って!

写真・文/合田裕基(TURBAN)