2019.08.26| 迎場コース
人気の筑波山の南側コースのなかでも、人の往来が少ない穴場的な「迎場コース」。ハイキング感覚で楽しめる気軽さもいい。
Trail3 迎場コース Mukaeba Trail
区間:筑波山神社~つつじヶ丘
距離:2.1km
所要時間:Up 65min / Down 50min
難易度:★
筑波山神社からスタートして、つつじヶ丘を目指す「迎場コース」。緩やかなコースなので、初心者の方でも安心。つつじヶ丘からロープウェイに乗れば、景色を眺めながら女体山頂を目指すことができます。登りと下りを楽しんで2時間弱。足場もしっかりしていて、岩場もほとんどなく、傾斜も緩やか。このコースなら比較的軽装で、お散歩感覚の登山を楽しめます。初めての方にもオススメです。
筑波山神社近くの温泉宿「筑波山江戸屋」さんの隣にある、筑波山神社入り口からスタート。まずは鳥居をくぐりましょう。
茨城県指定文化財の「神橋」は現在改修中です。2019年11月1日「秋の御座替祭」で綺麗になった姿がお披露目されます。
神橋の裏手、神社の階段を上るのではなく、みよこの七味で有名な神橋亭の方から、お店沿いに進んで行きます。
正面に神社の大杉が見えてきました。
白雲橋を渡ります。川上からは心地よい風が吹き抜けます。
橋を渡ったら、サインの示す方向へ進みます。
この辺りは東山という集落。眺めもいい、静かな住宅地。その中をサインの示す方向へ進みます。
坂の上にある鳥居が「迎場コース」の入り口です。
鳥居をくぐるとそこは別世界。全体的に緩やかなコースです。
見渡す限りの常緑樹の中、気持ちよく登って行きます。
ところどころ杉の中に檜が混ざっています。杉と檜の違いが分かると、山の人に一歩近づく、という話を耳にしました。写真の樹皮で言うと、檜の方が杉よりも目が粗いようです。
このコースは比較的緩い傾斜が続きます。つつじヶ丘までは1時間程度なので、登山の練習コースとしても最適。
進行方向右手には土浦ライオンズクラブの記念樹があります。ライオンズクラブの方々はトレイル整備も積極的にしてくださっています。
白雲橋コースと迎場コースの分岐点が見えてきました。今回はこちらを進行方向右手に進みます。神社からここまで約20分。
迎場コースは山頂を目指すコースではないので登山者も少なく、野鳥の声が響きます。山っていいなと実感できる時間。
スギ科のスギちゃん。針金がワイルドだろぉ。先ほどの檜と比べて、樹皮が細かい。
少し下って行きます。登りばかりではないと、気持ちにも余裕ができます。
道中、切り株を見たり。
大木を見上げて見たり。
緑は生き生きとしていて、トレイルはとてもきれいで歩きやすい。気ままに進みます。
色が限定されていた景色の中で、マムシグサの鮮やかな実が目に飛び込んできました。まるで芥川龍之介著作「蜜柑」のよう。
ベンチが2つ並んでいます。夏場は特に無理をせず、休憩と水分補給は小まめにしましょう。
トレイルの脇に大きな岩があります。筑波山の大部分が、斑れい岩というマグマが冷え固まった岩でできています。
道が細くなっている箇所もあるので注意しながら進みましょう。
またベンチが2つ並んでいます。山火事用心。
途中、東屋もあります。急な雨のときは、雨宿りにも便利ですね。
きのこもひっそりと生えていました。
進行方向左手に、祠が祀られています。辺りもなんだか神聖な雰囲気。
少し下っていきます。
途中、湧き水を跨ぐ箇所があります。
足元には、とても澄んだ水が流れていますね。
また1つベンチがあります。ひっそりとした場所です。
つつじヶ丘まであと700m。
2つ目の東屋が出てきました。
東屋の屋根の上にも、また1つの世界があります。
ここからつつじヶ丘までは、緩やかな階段道を登っていきます。
また大きな岩がトレイル脇にあります。筑波山の班れい岩は女体山頂のみ白い岩で、大部分は黒っぽい岩です。
今度はベンチが向かい合って設置されています。見つめ合うと素直におしゃべりできない…(ここまで一緒に登ってきたなら、もう照れることはないでしょう。)
普段はうるさく感じるハエも、山で見かけるとかわいいもんです。
そうこうしているうちに、つつじヶ丘まであと少し。
上を見れば一直線にロープウェイの行路が伸びています。迎場コースからは、ロープウェイの面白い写真が撮れそう。
最後の階段を登れば…
つつじヶ丘に到着! 暑い季節に歩いたので、Tシャツはびしょびしょ。水分をたくさんとりました。
振り返って撮影。こちらがつつじヶ丘から、迎場コースの出入り口になります。
今回、迎場コースをはじめて歩きましたが、どこか神秘的な雰囲気があり、想像していたよりもずっと印象的な光景が広がっていました。さらに、緩やかな勾配のお陰で、気ままに手付かずの自然を楽しむことができました。
終点となるつつじヶ丘には、休憩場所やお土産物屋があります。山頂を目指すだけではない山歩きの自由な楽しみを、改めて実感させてくれたコースでもありました。
写真・文/合田裕基(TURBAN)