2019.12.18| 東筑波ハイキングコース,筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業,サイン計画
今「東筑波ハイキングコース」が熱い!? 新デザインのサインの仮設置や、登山調査など筑波山の新たな動きをレポートいたします。
筑波山の東側のコース「東筑波ハイキングコース」をご存じでしょうか? 登ったことがある!という方は、恐らくコアな筑波山ファン。つつじヶ丘から国民宿舎つくばねを結ぶ全長4.4kmのコースで、未舗装の林道や細い小道、沢渡りなど野趣あふれる散策が楽しめるのが魅力の(マイナー)コースです。ちなみに筑波山の全10コースの中では最長のコースとなっています。
そんな(マイナー)コースである「東筑波ハイキングコース」が俄かに活気づいています!
12月6日(金)には、筑波大学芸術系准教授の原忠信先生が中心になり開発している、新デザインの山道サインを2020年1月6日(月)までの期間限定で実験的に仮設置(詳しくはこちら)。期間中、東筑波ハイキングコースを歩く一般登山者を対象にしたweb調査も行われています。
そして先日、12月14日(土)には筑波山の登山環境をより快適にすることを目的に「筑波山道印象評価調査」が行われました。今回、Mount Tsukuba編集部もこの調査に同行させていただきましたので、調査の様子をご紹介したいと思います。
「筑波山道印象評価調査」が行われたのは、仮設サインの設置区間と同様、東筑波ハイキングコース上「つつじヶ丘~林道ゲート」までの2kmの区間。
朝8時半、寒いなかにも関わらず、集合場所のつつじヶ丘には筑波山好きな参加者が集まりました。
調査協力をされている茨城大学理工学研究科都市システム工学領域助教授の一ノ瀬彩先生。筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業でもご活躍されています。
今回の調査プロジェクトに主幹として携わっている茨城大学大学院都市システム工学専攻建築・都市デザイン研究室に在籍の中国人留学生ジン・シンエイさん。
早速、ジンさんが参加者一人一人に、今回の調査の方法を説明していきます。「キャプション評価法」という手法で行われたこの日の調査は、参加者が5分刻みで一人ずつコースに入っていきます。
こちらがキャプション評価法による調査風景。登山道の中で気になった箇所を、写真を撮りながら歩いていきます。
ナンバリング8番の登山道である「東筑波ハイキングコース」であることを示すサインが木にくくりつけられています。
サインを開発している筑波大学芸術系准教授の原忠信先生が自ら取り付けまで行ったものです。
ちなみに筑波山の数あるコースの中でも、今回、東筑波ハイキングコースがサインの実証実験の仮設コースに選ばれたのは、ほとんどのサインが風化していてボロボロだったから…。筑波山公式コースの中でも、もっとも迷いやすいコースでもあります(行かれる方はご注意ください)。ただ、逆にいえば探検心を刺激される面白いコースでもあります。
誠心誠意、気になった箇所はパシャッ!
新サインは、インバウンドの方にも向けて開発されています。調査には留学生の方も多く参加されました。老若男女、国籍や人種もさまざまな現場は、これからの筑波山のあり方の理想形のよう。
スタート兼ゴール地点のつつじヶ丘ではジンさんたちがリアルタイムで参加者の意見をまとめていました。
写真中央は、筑波大学大学院人間総合科学研究科体育学専攻野外運動研究室在籍の谷中理矩さん。
今回はプロジェクトのサポーターとしての参加です。南アルプスマウンテンバイク愛好会で実務効率化研究担当として活躍されている野外活動のスペシャリストです。
茨城大学大学院と筑波大学大学院。茨城県内の2つの国立大学大学院生のコラボレーションの場にもなりました。
調査を終えて戻ってきた参加者を迎える一同。遭難するほどではありませんでしたが、少し迷いやすいコースではあります。初めて行かれる方はくれぐれもご注意ください。
参加者全員の無事も確認され、和やかな雰囲気で終わることができました。お店の一角を調査のためにこころよく提供してくださった「ニュー三井谷」さん、ありがとうございました!
実際に登山をした感想が、今後の筑波山の登山環境整備に活かされていきます。ご興味を持たれた方は、2020年1月6日(月)まで期間限定で行っている「筑波山道サイン一般調査」のほうに、ぜひご参加ください。期間中なら誰でも、いつでも好きなときに参加していただけます。
昨年度に策定された筑波山の新たなスローガンは「Share the Trail」です。人も、植物も、動物も。いろんな遊び方をするいろんな人が楽しめる「みんなの山」としての筑波山を表現した言葉。
素晴らしい多様性を持ったこれからの筑波山を、みんなで育てていきたいですね!
写真/合田裕基(TURBAN)
文/Mount Tsukuba編集部