2021.02.09| Souvenir,筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業
茨城県の事業として2018年から3年間にわたって取り組まれてきた「筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業」。今回は、2020年度の“新土産&体験づくり”プラン開発コンペティションで受賞した事業者による「成果報告会」の様子をお届けいたします。
いよいよ終了間近となっている「筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業」。その事業のひとつで、毎年さまざまな商品・サービスを生み出してきた “新土産&体験づくり”プラン開発コンペティションも、2020年度が最終年となりました。そんななか、2021年2月9日(火)に2020年度受賞プランの商品開発に関わる成果報告会が行われました。コロナ感染拡大に伴い発令されている茨城県独自の緊急事態宣言が2月28日まで延長となったことで、オンラインでの開催となりました。
気になるプレゼンテーションの前に、茨城県の観光物産課の担当者や、審査委員を務めた皆さまからのご挨拶。なかでも、審査委員のお一人である地域限定旅行会社・株式会社ラール・アワー代表の菊地真由美さんからの、「コロナ禍で首都圏近隣の自然アクティビティへのニーズがより高まっていること」「そんななか茨城観光の玄関口である茨城県南部の観光面でのハードも整いつつあること」といったお話が印象的でした。筑波山&霞ヶ浦エリア、きてますよ…!?
筑山亭かすみの里「帆引御膳」
霞ヶ浦からほど近い土浦市の手打ち蕎麦店「筑山亭かすみの里」(茨城県土浦市おおつ野)が開発した「帆引き御膳」。
明治から昭和初期にかけて霞ヶ浦で漁に使われた、風の力を動力とする純白の大きな帆が特徴の帆引き船。現在では漁での役割は終えましたが、毎年夏〜秋にかけて観光帆引き船として運行しています。そんな帆引き船を再現した模型の膳に、霞ヶ浦産のしらうおの小鉢を載せて。川海老のかき揚げや鯉の天ぷら、川海老の佃煮など、霞ヶ浦産の食材を使った料理と、自家製粉・手打ちの常陸秋そばが主役の地産地消御膳です。限定7食ですでに販売中で、地域の方から「地のものを味わえて嬉しい」「懐かしい気持ちになった」などの声をいただいたそうです。
ケーズグラフィック 手ぬぐい「筑波山麓歴史めぐり」
つくば市の小田地区でデザイン会社を営むケーズグラフィックが開発したのは、筑波山麓地域の歴史的スポットのイラストで彩った手ぬぐい「筑波山麓歴史めぐり」。
小田地区から真壁・岩瀬方面まで、りんりんロード沿いのスポットを20箇所ほどピックアップ。戦国最弱武将として知られる小田氏治の居城であった小田城跡をはじめ、歴史ある北条の街並みや、筑波山神社の例大祭である御座替祭、筑波山のがま口上、現在整備が進められている真壁城跡や、紫陽花が有名な雨引観音などを図案化。ケーズグラフィックの代表である野中さんご自身が描いた味わいのあるイラストが素敵な一品です。
筑波山江戸屋「陣中油 リップクリーム&ハンドクリーム」
筑波山神社のすぐそばにある、創業390年以上の歴史ある日本旅館「筑波山江戸屋」では、がま口上でも知られる筑波山名物“がまの油”こと「陣中油」の新商品を発表。
これまでの軟膏タイプの商品に加えて、新たに開発した「リップクリーム」と「ハンドクリーム」をお披露目しました。新商品のリップクリームとハンドクリームは、従来の軟膏タイプに比べて柔らかで伸びの良いクリームタイプ。また、従来の陣中油の成分はそのままに、新たに筑波山江戸屋敷地内の湧き水「杉の水」を配合し、より筑波山らしさがプラスされました。パッケージデザインは、「温故知新」をテーマにがまの油のアイコン的存在の“四六のがま”を残しながら、若い世代やアウトドア層を意識したものに。
美影グルテンフリーベーカリー「宝篋山パイスティック」
アメリカ出身のアンさんが営む筑波山麓の洋菓子店「美影グルテンフリーベーカリー」が開発したのは、筑波山の恵みで作るアメリカの伝統菓子「アメリカンパイ」。
ブルーベリー、パンプキン、ゆず、りんごなどの茨城食材を使用し、季節ごとに味わいを変えて販売予定だそうです。食べやすいスティックタイプ、優しい雰囲気のイラストがデザインされた缶のパッケージもかわいらしく、女性を中心に人気が出そうな予感です。
——続く体験部門では、受賞した2事業者の発表が行われました。
ラクスマリーナ「カヌー遠足」
霞ヶ浦〜桜川での「カヌー遠足」を開発したラクスマリーナ。小学生を対象に行われたカヌー体験の様子が、映像で紹介されました。ラクスマリーナのある土浦の港から、土浦市街を流れる桜川を往復するカヌーでの特別な遠足。水辺から見る町の様子がとても新鮮で、見ているだけでワクワクする内容でした。カヌー初心者の子供たちのパドルワークが少しずつ上達していく様子も印象的。春には土手から枝を伸ばす桜並木の下でカヌーを楽しむことができるそうです。まさにここでしかできない体験であり、今後じわじわと人気を博していくと思われます。
こもれび森のイバライド「イナシキライド」
発表会のラストを飾ったのは、茨城県稲敷市の体験型テーマパーク「こもれび森のイバライド」が開発した「イナシキライド」。サイクリングとキャンプを組み合わせた1泊2日のツアーで、野鳥の宝庫である稲敷ならではのバードウォッチングをはじめ、農園体験や地元名物ランチなど充実の内容。夜のキャンプタイムはバーベキューや焚き火なども楽しめ、翌日はイバライドで遊び放題と楽しみ尽くし。これらをひとり15,000円(税込)という破格の料金で提供するというもの。親子で参加した方も多く、参加者からは「子供に良い体験をさせられて良かった」など、いずれも高評価を得たそうです。
以上、長くなりましたが、とにかくワクワクがいっぱいの成果発表会となりました。今回開発した商品やツアーは、それぞれの事業者が今後も継続して販売・実施していくとのこと。ぜひ商品を手にとり、ツアーを体験してみてください。
最後に、今回のオンラインでの成果発表会を通じて、やっぱり実物を見たかった!と心から思いました。そして、実物の写真を撮りたかったです…。とにもかくにも、一日も早いコロナ収束と開発された商品たちの成功を祈っています。
取材・文/Mount Tsukuba編集部 根本美保子