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茨城県 筑波山で登山・ハイキング/コース&観光ガイド

Journal筑波山ジャーナル

2019.05.31| New Wave

"New Wave" of Mount Tsukuba [Prologue]
筑波山はもっとやれるはず!

筑波山の新しい潮流=New Waveを、さまざまな人へのインタビューを通じて紐解いていく連載シリーズ。プロローグ編です。

日本百名山の一つで、首都圏からのアクセスも良し。年間登山者数が約220万人(イベント等を含む。)にものぼる、国内有数の人気の山・筑波山。
一方で、都心からの距離感が似ている高尾山。ミシュランガイドで観光地として三ツ星評価を獲得したことでも知られるが、近年は年間約300万人以上の人が訪れ、世界一登山客が多い山ともいわれるほど、すごい人気を誇っている。

「筑波山はもっとやれるはず」
(だって古くは西の富士、東の筑波とまで言われていたわけですし…)きっと、筑波山好きのみならず、地元の方をはじめかなり多くの方がずっと思っていたことだと思うけれど。そんな仮説をいよいよ胸に、茨城県が動き始めたのは数年前のこと。地域・地方の「稼ぐ力」を高めようという気運のなかで、筑波山の観光・ビジネスでのさらなる活用の可能性を模索し、現地やほかの山での調査やワークショップなどが行われてきた。

2018年に行われた筑波山調査の様子

そのなかで浮き彫りになってきた課題のひとつが、観光シーズンに巻き起こる交通渋滞。そして、観光の楽しみ方の変化に伴う誘客力・ブランド力の伸び悩みだ。
大型バスに乗ってみんなで楽しむ昭和な雰囲気の観光も楽しいけれど、平成から令和へと時代が変わり、「個の時代」なんてこともよく言われている現代。観光の楽しみ方も多様化している。山頂を目指すだけが山の楽しみではなくなっていて、ある時はトレーニングジムだし、ある時は眺望抜群のカフェだし、ある時は植物園だし、いろんな顔を人それぞれに楽しむ時代になっている。そんな多様なニーズに応えきれていない状況が、確かに筑波山にはあるようには思う。(もちろん、年間200万人以上が訪れる魅力ある山であることも確かなのだけれど)。

それらのソリューションのために茨城県が2018年度から3ヶ年の予定で行っているのが、筑波山・霞ヶ浦(※)地域の観光促進事業(正式名称:筑波山・霞ヶ浦広域エリア観光連携促進事業)だ。2018年度には筑波山エリアの地域ブランドイメージの向上をめざし、「Share the Trail」というスローガンや、筑波山の多彩なトレイルをモチーフにしたロゴマークなど、ブランドアイデンティティが設定された。それらをもとに、「マルチアクセス」にフォーカスしたトレイルマップや、筑波山での「体験」をテーマにしたフリーペーパー、現地で楽しめる新たなお土産やグルメが登場した。そして2019年度も、山中の観光案内サインのリ・デザインなどが進められている。

また、継続的で統一的なブランドづくりをめざし、予算が尽きたらおしまい…となってしまわないよう、行政から民間にバトンタッチしていくことにもポイントを置いている。そのひとつが、行政事業をきっかけに生まれたこのサイト「Mount Tsukuba」(運営:株式会社ターバン)であり、ほかにもロゴステッカーやB2サイズの耐水地図などが民間事業者(株式会社ARC地域研究センター)によって製作・販売されている。行政は地域経済をまわしていくための背中を押す役割なのだ。

すでに筑波山では、若い世代をはじめ、いろんな人たちによってたくさんの面白いコトが始まっている。そこに茨城県の、行政としての後押しがあり、民間だけではできなかったこと、逆に行政だけではできなかったことが合わさって、これからさらに、筑波山は面白くなっていくはずだ。
そんな筑波山の新しい潮流=New Waveを、これからさまざまな人へのインタビューを通じて紐解いていきたいと思う。

写真/合田裕基(TURBAN/Mount Tsukuba編集部) 文/根本美保子(TURBAN/Mount Tsukuba編集部)


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