2019.06.05| 加波山
5月下旬、桜川地域おこし協力隊(桜川市総合戦略部ヤマザクラ課)大川奈奈さん主催の「加波山」ガイドツアーに参加してきました。
筑波山の北東にある加波山は、筑波山と同じく山岳信仰の山。筑波連山の中でも筑波山に次ぐ標高709mを誇ります。筑波山からもウインド・パワーつくば風力発電所の2基の風車を目印に、その近くに山頂の姿を見ることができます。
地元以外ではそれほど知られてはいませんが、筑波連山を縦走する登山者も多く見られ、とても歩きやすく多様な魅力を持った素敵な山です。山中には3社の社殿があり、その違いを楽しむこともできます。
ガイドしてくださったのは、筑波山ガイドもされているnakineの浅野祥子さんです。普段立ち入ることのできない採石現場も見学できて、昼食付き1,000円。
14名の参加者が集まりました。桜川地域おこし協力隊のツアーは今後も要チェック。
晴天にも恵まれ、朝9時に加波山3合目からスタート。桜観音の目の前です。
登山道入り口までは砂利道を進みます。
すでに木々の間からは綺麗な眺望が。
加波山入口の立て札。ここからが登山道です。
山に入ると結構な湿度があります。この間の大雨があったにも関わらず、トレイルはきちんと整備されています。どなたか存じませんが、ありがとうございます。
浅野さんの軽快な先導と、参加者同士の会話を楽しんでいると、すぐに5合目。石の名産地なので、サインにも御影石が使用されていますね。
5合目を超えると大きな岩を見かけるようになります。
筑波山と同じく、上に行くほど、岩のサイズも大きくなります。
次第に巨石と呼ばれるレベルに。加波山ではこのサイズの岩でも名前はありません。我輩は岩である。
信仰の対象となる霊石が出てきました。加波山自体がご神体であり、修験道としても有名です。この辺りも筑波山と似ています。
鳥居を抜けて、山頂方面へと向かいます。
親宮本殿と修験道の宿泊施設に突き当たり、進行方向右へ。この日は尾根づたいで採石場へと向かいます。尾根まで来ると横風が抜けて気持ちいい。
長い階段道を降ります。この道は「関東ふれあいの道」になっています。採石のメッカだけあり、途中ダイナマイトの発破音が聞こえてきます。
階段を降りきると、御影石のモニュメントがある広場に到着。普段見慣れない、採石場の看板が。
少し進むと「やさとみかげ」の採石場が見えて来ました。株式会社石原石材の採石場です。
HPに流れる動画はダイナミック。一見の価値あり。
https://www.yasatomikage.com
石岡市側の眺望も抜群。御影石、石原石材、石岡市と石づくめ。これぞロック。
全長50m、高さ35mの採石場は様々なロケ地にも使えそう。
快く迎えてくださった、石原石材の石原社長。16歳で故郷の小豆島を離れ、この土地で開業。今年、古希になったと溢れる笑顔で笑い飛ばしていました。余談になるが、私の祖父も香川県の商人で、そのサービス精神と豪快さを思い出して嬉しくなった。
伊勢屋旅館の美味しいお弁当を食べて一休み。今来た階段道を今度は登ります。TXキャップが似合う参加者は登山経験多数の達人。登山テクニックは先人に尋ねるのが一番。
先ほどは少しくたびれて目に入らなかった光景も、一休みすると目に飛び込んできます。御影石で作られた、どこかかわいい不動明王様。
親宮本殿を超えてしばらく登ると加波山神社本殿に到着。標高709mの山頂です。
少し降ると今度は「たばこ神社」。以前、この辺りはたばこ栽培農家さんが多かったようです。禁煙の祈願もできるとのこと。
そのまま降ると加波山神社拝殿と親宮拝殿があります。天狗のデザインが至るところに。
そこから更に降っていくと、小川があり「山椒魚谷」の石碑があります。山椒魚が生息できる綺麗な小川。登りでもこの小川のせせらぎが聞こえていたので、やっと会えた気分。
更に降るとまた採石場が現れました。こちらは桜川市側です。
採石場辺りから舗装路を降って行くと、スタート地点の3合目に戻ってきました。参加者のみなさん、お疲れさまでした。途中でいただいたアメやコンペイ糖、羊羹の味は格別。
今度山に行くときは、自分も持って行って誰かと食べよう。
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今回登った加波山は、筑波連山の代表的な山で、山伏修験道の霊山としての信仰も厚く、天狗伝説があることや、標高709mのその見た目も筑波山に似ています。
写真が筑波連山。左に見切れているのが加波山で右奥が筑波山。
筑波山から車で20分行くと加波山があり、連山を望む景色を見ることができます。
少し足を伸ばせば、少し自分がチャレンジすれば、素敵な出会いと新しい経験が待っているんですね。横目で見た街並みも綺麗だったので、また桜川市に、加波山に来たくなる1日になりました。
写真・文/合田裕基(TURBAN)