2019.09.13| おたつ石コース
筑波山登山の定番コースのひとつ「おたつ石コース」。途中、眺望スポットもいくつかあり、さまざまな素敵な景色に出会えます。
Trail4 おたつ石コース Otatsu-ishi Trail
区間:つつじヶ丘~弁慶茶屋跡
距離:1.0km
所要時間:Up 40min / Down 30min
難易度:★★
筑波山に遠足に来たことがある人なら、このコースを登った思い出があるのではないでしょうか。東側には霞ヶ浦まで見渡すことができ、まさに茨城県南を象徴する景色が望めます。
スタート地点のつつじヶ丘からはロープウェイが運行していて、女体山頂駅まで6分。休憩場所や食堂、お土産物屋、宿泊施設もあり、その利便性からもみんなに愛されているコースです。
つつじヶ丘ガーデンハウスの側に、「おたつ石コース」の出入り口はあります。進行方向左手には、筑波山神社へと続く「迎場コース」の出入り口があります。
ロープウェイとほぼ併走して、「おたつ石コース」は進みます。このロープウェイがスイス製なのは、筑波山トリビア。
ニュー三井谷さんプレゼンツ、ガマ大明神を横目に登ります。ガマランドを帰りにのぞいてみようかな。
女体山頂までは2.7km。おたつ石コース自体は「弁慶茶屋跡」までですが、そのまま女体山頂に向かう「白雲橋コース」へ繋がっています。
最初は勾配のある階段道が続きます。岩もゴロゴロ転がっているので、足元にご注意を。
もしかして、付き合ってんの?
9月初めに登ったのですが、花はいたるところで咲き、虫の声もたくさん聞こえてきました。
そんな筑波山ならではの光景は、またWALK,TALKでも紹介したいと思います。
ベンチがあります。東側の見晴らしも良いので、無理せずあなたのペースで楽しんでください。
少し長めの階段道が続きます。
標高600mのサインがあります。ちなみに出発地点のつつじヶ丘は標高約500mでした。
高原の雰囲気がある、平坦なスペース。「つつじヶ丘高原」と呼ばれています。ベンチと東屋のある休憩ポイント。
仮面ライダーブラックRXも休憩していました。
平坦で開けた場所なので、避雷針があります。天気の悪いときは、くれぐれも落雷にご用心。
休憩ポイントに別れを告げ、引き続き登ります。
今までなかった、木のトンネルのようなポイント。
岩が落ちてこないのは木のお陰。パッと見300kgはありそうだけど、タフだな~。
自然のタフネスから天啓を得た私は、粘り腰になった。(気のせい)
トレイルの脇には白い可憐な山野草。雪のような、その姿に癒される。
この辺りから雰囲気が変わってきました。植生の移り変わりは、登山の醍醐味。
南側から強い光が差し込むポイント。なんだか神々しい。
この辺りはジメジメして、湿度があります。植生の変化が楽しみ。
クモの巣だって、巣上浸水。
こちらの巣も水害にあってますね。クモはどこに……あ、いた!
森林浴ポイント。少し荒れた呼吸を整えます。
アップダウンがあります。ぬかるんでいるところもあるので、気をつけて。
岩越えポイント。岩を越えないことには先に進めませんが、子どもでも越えていけるくらいの岩なのでご安心を。
枯れ草の中にR2-D2の姿が!? どうやら貯水タンクみたいですね。
気をとりなおして、また少し下ります。
板が渡してあるところの中央に、何やら風格のある木が。
その正体は「アカガシ」。山地で見られる常緑樹。材としても非常に硬く、貴重なもの。白雲橋コース中腹で見られるアカガシの純林は、国内でも有数のスポットになっています。
湧き水ポイントがあります。かなりの量なので、パイプを使った排水路があります。
パイプがない方は、トレイル上もぐちゃぐちゃです。
しかしこの辺り、湧き水、日陰、岩場の山野草三要素を満たしているポイント。辺りを注意深く見ることに。
あった! 今回密かに期待していた「イワタバコ」。夏が主な開花時期だったので、ギリギリ花を見ることができて大満足。その時期に、そこでしか咲かない山野草の目撃をサブミッションにして登山するのは、個人的にオススメです。
女体山頂まで、あと900m。弁慶茶屋跡まではあともう少しでしょうか。
「イワタバコ」を見ることができて、すでにやり遂げた気分になってしまいましたが、引き続き登山を楽しみます。
すると、前方からは園児たちの姿が。山頂からここまで下りてきたそうです。親子登山とはいえすごいなぁ。登山での身軽さは優位ですね。
こんなところ園児から見たら、火サスの崖くらいあるんじゃないかな。
まだまだたくさんの園児たちが下りてきます。いい思い出になるといいね。
弁慶茶屋跡が階段の向こうに見えてきました。
弁慶茶屋跡に到着!
江戸時代から270年続いた老舗茶屋は、惜しまれつつ2006年に閉店。その跡地は今でも筑波山のポイントとなっています。
名物料理の力餅を食べてみたかった。そんな思いをはせながら、しばしの休憩。ハラヘッタ~
周囲を見渡すと、女体山頂までは800mのサイン。
サインの側には筑波山神社へ続く、白雲橋コースの出入り口があります。ここから筑波山神社の方に下る途中には、アカガシの純林を見ることができます。女体山頂へ行くにも、ここから白雲橋コースを利用して向かいます。
たくさんの石が積まれた祠があります。山の神様のお供え物には、石を積むといいそうです。
こちらはもともとは室町時代にあった聖天神社が祠になったもの。またの名を歓喜天といって、縁結びにもご利益があるそうです。
帰り道、行きに気になっていたガマランドに立ち寄ってみると…
今度こそR2-D2!? ってこれは版権グレーな…否! たまたま模様が似ちゃっただけさ。
---
わずか1kmの行程にこれだけの見所が詰まった、おたつ石コース。
ロープウェイや魅惑のガマランドを横目に出発し、江戸時代や室町時代にまで起源を遡る弁慶茶屋跡まで。トレイル上の自然を細かく見てみれば、希少な山野草や生き物たちがいて、多彩な魅力に溢れています。
前知識はなくとも、子どもたちのように元気に身体を弾ませて歩けば、それだけでも筑波山は楽しめるところ。いくつになっても冒険気分。
よく整備されているので、友達や家族、恋人同士で訪れるにもうってつけのコースです。やはり定番コースと呼ばれるには、理由がありますね。
写真・文/合田裕基(TURBAN)