2019.06.21| 自然研究路
筑波山の2つの山頂のうちのひとつ「男体山頂」付近(標高約800m)をぐるりと周遊できる、ほかにはないコース。筑波山の南側と北側の植生の違いを楽しみながら歩けます。約50分で一周できるので、ケーブルカーで往復して自然研究路だけ歩く!という気軽な楽しみ方もできます。
<COURSE DATA>
Trail10
筑波山自然研究路 Nature Observation Trail
区間:御幸ヶ原〜御幸ヶ原
距離: 1.4km
所要時間:50min
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筑波山西側のピーク、男体山頂付近を周遊する「筑波山自然研究路」。その名の通り「自然研究」の目的からコース上には解説板のほか、名札が付けられた樹木があります。
2019年6月現在、一部崩落によって通行止めになっており、迂回路を経て男体山頂も通るコースとなりました。2022年4月通行止めは解除されました。山頂付近にあるコースとしては、山頂連絡線よりも登山客は少ないので、自分のペースで筑波山の自然と親しむことができます。
またコース上にある第一展望台、第二展望台は男体山頂よりも広角に関東平野を見渡すことができます。ですので、くれぐれも足元、頭上にはご注意ください。
御幸ヶ原の西側、男体山頂を目指す階段を登ります。
男体山頂方面へのサインを通り過ぎ、奥のトレイルへ進みます。
「筑波山の地形と地質」の看板が目印です。自然研究路は読んで字のごとく、自然を研究するコースなので、筑波山にまつわる雑学を教えてくれる雑学看板が多く存在します。
少し進むと、木の下をくぐる箇所があります。個人的に、ここに来ると自然研究路に来たなと感じます。にじり口のようです。
階段の手前に「←御海」のサインがありますが、現在は行くことができません。自然研究路は岩石の崩落により通行止になってしまった箇所が存在します。柵やロープを超えないことは勿論ですが、筑波山の数あるコースの中でも、一番足元や頭上に注意しなければならないコースです。
「立身石」が見えて来ました。進行方向左側に進むと、見晴らしの良い第一展望台があります。ここからの眺めは筑波山一と称されるほどの絶景です。トレイルの続きは、このまま右へ。
すぐに「立身石の伝説」という看板が。看板の脇から少し降れば、「立身石」を正面から見ることができます。
こちらが立身石。階段の中腹、横から見るとかなり大きな石です。
階段を降りて見上げても、そのダイナミックさに圧倒されます。高さにして20mほど。
トレイルに戻り、階段道を登っていきます。
岩石崩落があった箇所の手前で通行止になっています。このまま階段道を登って行き、迂回路の一部である、男体山頂を目指します。
迂回路となった細い階段道を登れば…
男体山頂を目指す難関箇所の岩階段に合流します。ここから男体山頂までは「山頂連絡路」と同じトレイルになります。
岩階段を登れば、ベンチがあります。男体山からの眺めは、筑波山屈指の絶景です。
山頂まであと少し。引き続き登ります。
男体山頂に到着しました。
筑波山神社本殿に登山の無事を祈願しましょう。そしてオラをお金持ちにしてください。
本殿脇の階段を降ります。建物の塀に沿って、進行方向左。自然研究路の迂回路に入ります。
自然研究路迂回路のサインの上には、崩落場所の詳細が記載されています。
迂回路は通常のトレイルよりもやや狭いので、注意して進んでください。
迂回路といえど、山岳信仰の対象物があります。一礼。
迂回路を示す立て看板があります。足元に気をつけてください。
矢印に沿って進んでください。それ以外の場所は危険です。
矢印とは逆方向、行き止まりも立て看板が知らせてくれます。
自然研究路本来のトレイルに出てきました。久しぶりの雑学看板がお出迎え。
トレイル脇に東屋があります。休む前にも雑学看板。教育熱心なママには、逆にやる気が削がれそう。
長い階段道です。この辺りは風が抜けて気持ちいい。
長い階段道の終点。進行方向左、階段の先には第二展望台があります。第一展望台に負けじと、素晴らしい絶景です。是非、あなたの目で。
第二展望台の分岐点に、なんと雑学看板の全貌が。これによると「岩石の風化」というレクチャーが岩石の崩落箇所のために確認できません。論より証拠とはよく言ったもんですね。
トレイルはまだ続きます。距離にすれば周回コースの、丁度半分くらいでしょうか。
陽当たりによって、少し植生が変わってきました。
急な階段道も出てきました。無理せずロープにつかまって進んでください。危険を感じたら、引き返すのも登山の鉄則です。
階段道は続きます。
ところどころ狭かったり、急な箇所があります。
平坦な箇所に出てきました。木漏れ日も気持ちいい。
日陰部分の植生の変化があります。あくまでも自然を研究しながら進んでください。
※登山者の自由です。
跨げば通れる程度ですが、崩落箇所があります。注意してください。
少し緩やかな階段道、気持ち良く歩けます。
橋のような箇所が見えて来ました。橋の真ん中あたりには、雑学看板。
山肌にいることがよく分かります。
また東屋が見えて来ました。もちろん、東屋の前には雑学看板。
長い階段道を降ると…
「大石重ね」に到着しました。石に願い事を書いて置くと、願いが叶うと言われています。山と石というのは切り離せない関係ですね。
「大石重ね」のすぐそば、自然研究路案内図の向こう側には薬王院コースの出入り口が見えます。
振り返って撮影。薬王院コースでも紹介しましたが、薬王院を経て男体山頂を目指すことも可能です。
自然研究路は続きます。ここからは筑波山の北側です。
同じ標高でも、場所によって雰囲気は異なります。
植生が変われば、そこにいる生物も変わります。自然の営み。看板の昆虫たちも、ところどころ営んでます。
北側は、緩やかな階段が多くあります。また時折、八郷側の眺望を木々の間から望むことができます。
穏やかな道です。御幸ヶ原まであと少し。
薄暗いトレイルの先に、光が。
御幸ヶ原が見えて来ました。一文明人として安堵の気持ちが芽生えます。
御幸ヶ原に到着です。お疲れ様でした。
自然研究路の出入り口には筑波山頂の湧き水を利用したお手洗いがあります。行きと帰りに寄れるので、トイレの心配がないコースです。
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御幸ヶ原まではケーブルカーが出ているので、ケーブルカーを利用してゆっくりと、自然研究路の眺望や自然を満喫するのもオススメです。
周回コースと言えど、約1.5kmのコース上は起伏があり、十分に登山の醍醐味を味わうことができました。
北側と南側で植生が異なることから、春夏秋冬、それぞれのシーズンにまた登ってみたくなりました。途中、小スペースの展望台や狭い箇所もありますので、譲り合って、心の触れ合いも楽しみたいものですね。筑波山登山をするようになって、少しずつ気持ちに余裕が持てるようになった気がします。
自分が住んでる街、そこにある山。行ってみないと分からない魅力はたくさんありますね。
一歩ずつ、母なる大地を踏みしめて。
写真・文/合田裕基(TURBAN)